2023年 セメダイン新商品動向

セメダインでは、茨城県のR&D拠点を中心に約90人の技術系社員の方が年間150~200もの「新規テーマ」に取り組んでいるそうです。

かなり新規商品開発に力を入れていることがうかがえます。また、同業他社と比べても商品力が強い商品が多い印象です。

セメダインのことではございませんが、一般的に商品力が強い会社は営業力がなくてもモノが売れていくので、営業力が弱く、商品力が弱い会社というのは、営業力で商品の弱さを補わないと売れない為、営業力が強い会社が多い印象です。

 

昨今の接着剤を取り巻く市場動向としては、 

・国内生産量は1991年ー1995年をピークに年々減少傾向 

・特に合板用接着剤が減少 

・ホットメルト系、反応系が拡大 

・電気電子市場向け拡大、自動化に伴うアッセンブリ(組立)市場向けが拡大 

 といった状況です。

 

今後の接着剤開発に求められるニーズで重要になってくるのは、省力化」「省人化」「高耐久化」「再利用」といかに、人手やエネルギーを使わずに、長く使い続けられるものを作っていくか、環境にやさしいモノづくりが求められていく時代になっていくとの事です。

 

 具体的な事例としまして、 

<省人化> 

建築現場での人で不足の影響で、工場での複合化、ユニット化が進んでいる 

例:プレカット、住宅のユニット化 

 

<高耐久化> 

高層ビルなどの改修工事を10年/回実施→20年/回と改修インターバルの延長することで省人化に貢献する。 セメダインでは、タイル用接着剤の国内シェア6割を獲得しているそうです。 

 

今期の商品トレンド

◇溶接代替商品 

 ・溶接=火災のリスクがある

 ・溶接=技能者が必要 

 ・溶接と比べて遜色ない接着強度がある

 ・液状ではなく、不織布みたいなメッシュ付き接着剤であるため、塗布量の均一化や接着剤が流れ出さないのが特徴 

 ・清水建設と共同開発した商品で、つり天井などで検討されているそうです

 

 ◇木造GIR用接着剤

・国が国産材の利用推進を推し進めている背景がある

・木材は、鉄やプラスチックと比較すると環境負荷が少ない材料である 

・今後、木造10階立てなどの中高層ビルもできていく予定 

・それに伴い古くからあるGIR用接着剤が伸びていく 

・クリアランスがあっても強度低下しないのが特徴 

 

◇IOT関連デバイス向け接着剤 

・IOT関連デバイスが伸びている 

 PCやスマホにとどまらず、今後、家電や車もIOT化されていく 

そのような場合、中国やベトナムの安い人件費に頼っているだけでは、人でが足らず、自動化が必須となってくる

 

◇PUR 

・パソコンのディスプレイや冷蔵庫のガラストップ用

 ガラストップでは高強度が求めれらる 

・従来品のPURと比べ、最終強度に到達するのが早いのが特徴 

 

◇遅延UV硬化タイプ 

・主にディスプレイ関係 

・張り合わせ可能時間を設けているため、透明材料でなくても適用可能 

・光が透過しない材料でもOK 

 

◇遅延硬化タイプの液状粘着テープ(粘着剤になるUV硬化樹脂) 

・加熱炉に比べ、LEDランプは省エネルギー 

 

◇放熱接着剤

熱を逃がしてほしい ニーズにこたえる

・EV・バッテリ関連トレンド向け  

・粘度設定がディスペンサ塗布可能な粘度、仮固定できる程度の粘度 

・熱で強度ダウンしない 

・放熱シートのデメリットであるカットなど加工が必要、歩留まりが悪いを解消 

 

◇ギャップフィラー 

・広がりやすさ、他社より伸展性が良いのが特徴 

 

◇自動車の構造用接着剤 

・バナナカーブを逸脱した弾性がある

・にもかかわらず鉄に対して、10Mpa以上出る 

・120℃でも強度低下しない 

・最大強度に達したところから伸びがでてくる(粘り気) 

→鉄の伸びに対して、追従する接着剤で、引張試験では鉄が先に破断する 

 

◇50%バイオマス由来の商品 

・バイオマス材としてホタテの貝殻を使用

・メーカー側からの問題提起する商品

→この商品をきっかけにお客さんのバイオマス材に関する考え方をヒアリングしていく

 

隙間に埋める充填剤(防水性がないもの) 

・トイレや浴室のカビやにおい防止 

 

◇クリアのシーリング 

・POSシール(塗料が上にのるシーリング材で主力商品) のクリア

・白に比べ値段が高いが、いろんな色を買わなくてもいい 

・住宅のダクト周りのシール