接着剤の選び方

接着剤の選び方

 

①用途から選択

例えば、合板を製造するには、「合板用接着剤」があるように、この用途だったら、この接着剤だよねという専用接着剤があるケースもあります。用途が決まっていても、ユーザーによっては、使用している接着剤が異なり、3種類程度の接着剤で対応できるケースもあります。

 

➁何を接着するのか?被着材から選択

くっつけるものが、プラスチックなのか、金属なのか、木材なのかによって、接着剤との相性がいい、悪いがあります。例えば、金属だったら、エポキシ樹脂系の接着剤との相性がよく、比較的よくくっつきます。

 

③接着後の要求性能から選択

接着後、自動車のエンジン回りで使用する予定で、耐熱性が150℃求められるなど、接着剤に対して、必要なスペック(仕様)が分かれば、おのずと、耐熱性接着剤しか対応できないなどわかります。また、振動がかかる部分で、振動を吸収する弾性接着剤でないと対応できないなど、接着後、どういった力が加わるか?など明確にしていくことで絞り込むことができます。

 

④塗布方法から選択

工場の生産ラインで使用する予定で、大量生産をするため、自動化との相性がいいものがいいなど、どういった塗布方法を想定しているかで、選択の方向性が決まります。

自動化=ホットメルト系など、自動化との相性がいいものがあります。また、手作業で、小ロット生産しない場合は、カートリッジガンの荷姿があるものが機械など導入しなくて手作業で塗布できるなどあります。

 

⑤接着剤の特性から選択

各種接着剤には、様々な特徴があって、その特徴から、絞り込んでいくという方法もあります。ざっと、接着剤の特徴に関してまとめてみました。

1液タイプか2液タイプか

2液タイプのほうが1液タイプより手間がかかりますが、手間をかけた分だけ、最終性能はいい傾向にあります。

短時間硬化か長時間硬化か

接着剤は短時間硬化したほうが、生産のタクトタイムの短縮につながり、いいのですが、接着剤のタイプによっては、硬化に時間がかかるものがあります。

弾性接着剤は空気中の水分と反応し、じわじわ硬化していきます。エマルジョン系は接着剤中の水分が蒸発することや被着材に吸収されることで、固まります。ゴム系接着剤は、接着剤中の溶剤が揮発することで、固まります。

構造用途か非構造用途か

構造用途とは、建物の躯体などに使用され、常に何かしらの加重がくわわっているような箇所に使用できる接着剤です。

高耐久性か低耐久性か

先ほどの構造用接着剤の部分と重複しますが、接着剤の長期信頼性が高い接着剤を高耐久性といっております。

高コストか低コストか

接着剤単体でのコストの話で、実際、使用するには、加熱炉や加熱炉のエネルギーコスト、塗布機を含めたトータルコストについて考えなければいけません。また、機械などの設備投資をしても自動化したことにより、年間人件費の削減につながればメリットがあるのです。

接着剤単体のコストが多少高くてもなるべく信頼性が高い接着剤を導入したほうがいいのです。製品中、接着剤を塗る塗布量はごくわずかで、その部分をケチって、リコールなどおこしたほうが莫大なコスト高となるのです。